活躍する卒業生

 

中央大学理工学部教授、東京大学名誉教授

石川 幹子

いしかわ みきこ

さん

宮城学院中学校・高等学校
1968年 宮城学院高等学校卒業
1972年 東京大学農学部農業生物学科卒業
1976年 ハーバード大学デザイン学部大学院ランドスケープ・アーキテクチュア学科修士課程修了
1994年 東京大学大学院農学系研究科農業生物学専攻緑地学博士課程修了。工学院大学建築学科特別専任教授、慶應義塾大学環境情報学部教授、東京大学学院工学系研究科都市工学専攻を経て、中央大学理工学部 教授

石川 幹子さん

環境デザインについて

皆さんは、ランドスケープという言葉をご存知ですか?景観とか風景とかを意味する言葉です。私たちの住む町は、そこに暮らす人たちがこんな町に住みたいという思いから生まれるものですが、私はデザインと計画でそういう思いを引き出し、美しいまちやランドスケープを創り出すお手伝いをしています。

私の生まれ育った岩沼はきれいな海と澄んだ空気が自慢でした。きらきらと輝く海や一面のカタクリの花は今でもしっかり脳裏に焼き付いています。しかし、高度経成長によって海辺に工場が建設されて工業化が進むにつれ、その美しい景観はもとよりあんなに美しかった海も茶褐色に変わってしまったのです。どうしたらあの頃のような風景を取り戻すことができるのだろう…再生の方法を模索する私は環境デザインという学問に出会いました。東大理科二類に入学し自然環境調査の基礎を学びました。その後留学を決意しハーバード大学デザイン学部大学院へ進学します。

卒業後、汚染された海域の人間と生き物を取り戻す試みとしてお台場海浜公園の再生に取り組みました。その結果、東京湾の水質は徐々に改善され水辺は元の姿へと戻っていきました。東京ではこの他に玉川上水の再生やおとめ山公園のビオトープ計画に力を注ぎました。さらに日本ばかりでなく、今では中国の都市やフィリピンなどアジアの各地においても自然と人間の共生を念頭にプロジェクトを進めています。地球のどこに行っても役に立つことができるプロフェッショナルを目指して日々研究室の学生たちと研究を重ねています。

地の塩、世の光

その土地、そこに住む人間と生き物はまさに多様です。それぞれのケースに合った方法を探し決定し前に進めていく、その作業を繰り返すとき、いつも心に浮かぶ聖句があります。それは「地の塩、世の光」です。この言葉によって私は“これで良いのか?”と原点に戻り自分を見つめ直すのです。

2011年の東日本大震災の発生によって、多くの沿岸部の都市は壊滅的な被害を受け、町の機能は失われてしまいました。私の故郷岩沼もそうでした。故郷のためにできることは何か?幼いころの記憶に残る美しい風景と機能を取り戻すお手伝いはできないか?この時も「地の塩、世の光」の言葉を胸に私はプロジェクトを立ち上げました。岩沼の皆さんに問いかけ、どんな町を作りたいかを聞いたのです。

6年半が経ち、少しずつ皆さんの夢や思いが形になってきました。まだまだ課題は多いけれども、愛と希望の復興に向け岩沼に暮らす皆さんの笑顔を励みに、これからも町づくりのお手伝いを続けていきたいと思っています。

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