「さあ、行って、あなたも同じようにしなさい。」

 

あるユダヤ人が旅の途中、おいはぎにあって、服をはぎとられたばかりか、半殺しの目に遇ってしまいました。そこに祭司が通りかかりました。ところが、この祭司はあろうことか、その人を見ると、見なかったふりをして道の向こう側を歩いて行ってしまいました。次にレビ人が通りました。ところが彼もまた見て見ぬふりをして、道の向こう側を通って行ってしまいました。
そこにサマリア人がやってきました。サマリア人はユダヤの人々と敵対している民族です。ところがこの人は倒れているユダヤ人を見ると、憐れに思って、近寄って傷口に油と葡萄酒を注ぎ消毒して、包帯を巻いてあげました。その上に、自分のろばに乗せて、宿屋に連れて行って介抱までしてあげました。
イエス様は言いました。「さて、この3人の中で誰がおいはぎに襲われた人の隣人になったのか?」
律法の専門家は言いました。「もちろん、彼を助けた人です。」
そこでイエス様は言いました。「行って、あなたも同じようにしなさい。」

「さあ、行って、あなたも同じようにしなさい。」

宮城学院中学校高等学校は、今から131年前の1886年9月、合衆国女性宣教師エリザベス・R・プールボーを初代校長に迎え、宮城女学校として創設されました。
当時、まだ日本は女性の地位が低く、プールボー先生は女子教育の必要性を痛感し、遠く離れた極東の地にまで危険を冒して赴いたのです。彼女は仙台に足を踏み入れた最初の外国人女性であったかもしれません。それから、130年以上の歳月が経ちましたが、宮城学院は「神を畏れ、隣人を愛する」とのスクール・モットーのもと、今この時代になくてはならない「地の塩、世の光」としての働きを担う、グローバルサーバントリーダーシップを身に着けた女性を育むことを教育の目標としています。

世界はグローバル時代を迎え、温かい木漏れ陽のこぼれる室内から窓越しに外国を見るような時代は終わりを告げました。インターネットの発達により、今や世界中が極となってつながっており、どこか外国の地で起きたことが日本にも波及します。テロが国内で起こらないなどとは誰にも言えないのです。そして過去の歴史が実証してきたように、一度開かれたものは決して後戻りすることはできません。このような時代にあって、未来を生きる若い世代の人々は、新聞やニュースやたくさんの書物に目を通して、今世界で起きていることをつかみ取らなければなりません。
また、英語はアメリカ人やイギリス人やオーストラリアの人たちだけが話す言葉ではありません。今や全世界で20億から30億の人々が英語を話していると言われています。もともと英語を話している国々の人口は3億5、6千万人ですから、実際には英語を母国語としていない人の方が英語を話しているのです。つまり、英語は国際共通語だということです。ですから、宮城学院中学校高等学校では、英語を使って世界中の隣人とコミュニケーションを取ることを大切にしています。

宮城学院の建学の精神は、「福音主義キリスト教の精神に基づいて学校教育を行い、神を畏れ敬い、自由かつ謙虚に、真理を探究し、隣人愛に立ってすべての人の人格を尊重し、人類の福祉と世界の平和に貢献する女性を育成すること。」です。「隣人愛」とは、冒頭に挙げた聖書のエピソードにあるような、具体的に行動する愛に他なりません。宮城学院ではグローバルスタディーズという時間があります。たくさんの国際協力組織の講演や座談会を通して困っている隣人について学びを深めていきます。これらの機会を通して、困っている隣人に対して具体的な行動を歩み始めた先輩たちが宮城学院には大勢います。
そのためには、まず中学校や高等学校の基礎的な学びを習得しなければなりません。宮城学院中学校高等学校では最大20時30分まで開室している学校の中の予備校、「スタディモール」でさまざまな学習サポートを行っています。安心安全な学内で、交通費を余分に払う必要もなく、授業・部活・スタディモールとシームレスに学びを重ねていくことができます。
このような恵まれた教育環境を通じて、宮城学院で学ぶ多くの女性がいろいろな在り方で隣人愛を実践する生き方を学んでいきます。私たちは、1人でも多くの若い女性が宮城学院の門をくぐり、私たちの仲間に加わることを願っています。
さあ、行って、あなたも同じようにしなさい。

宮城学院中学校高等学校
校長 鎗田 謙一

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