神を畏れ、自己と隣人を愛する

 

樹齢100年以上の大木となった桜が満開に咲く姿を見て、毎年どんなに社会が変化しても脈々と咲き続ける老木の凛とした美しさに人々は感動を覚えるものです。宮城学院は133年前に合衆国改革派教会のウィリアム・E・ホーイ宣教師と押川方義牧師によって創立された東北地方で最も古い歴史を持つ女子のミッションスクールです。イエス・キリストの福音を土台として、多くの先人達に守られ支えられ、ある時は素晴らしい晴天の中で成長をし、またある時は苛酷な試練を耐え忍び、凛として仙台の地で女子教育の重要な使命を果たしてきました。

さて、2019年を迎え社会は多くの問題に直面しております。少子化、経済格差、教育のIT化など宮城学院中学校高等学校の教育にも多くの課題が打ち寄せています。社会構造の変化により子どもの数が減り、また子どもたちの成長過程においても家庭の崩壊等多くの問題が生じています。またIT化により教育の内容も変化を求められています。

「神を畏れ、自己と隣人を愛する」

このような時こそ、宮城学院が存在し続ける使命を神様は私達に示されていると確信しています。ITが人間社会を制しているような錯覚に陥る昨今の情報社会の中で、わたしたちはともすれば目に見えるものだけに振り回されているのではないでしょうか。確かに便利なスマホは私たちの生活パターンを一変させました。しかし、自然災害等の前では、人間は無力であり、今私達がしっかり土台とすべきことは「神を畏れる謙虚さ」であり、このことなくしては真実の知識の蓄積、科学の進歩もないと言えるのではないでしょうか。

また社会構造の変化により、家庭の形が変わり、子どもの成育環境も大きく変容を遂げました。子どもは神様からお預かりした大切な命です。この命を家庭だけでなく、今は社会全体で育むという時代になっています。子どもが、大切にされている、愛されているという自己肯定感なしに、他人を健やかに愛することはできません。神様のまことの愛のなかで、自己がどんなに大切な貴い存在とされているかを毎朝の礼拝で学び、「自分の周りにいる隣人たちもまた等しく神様に愛されている存在」であることを知らされることにより、初めて相手を認め受容し、自己と他者を愛することができるようになるのです。

このように宮城学院が土台にしてきた、教育の使命「神を畏れ、自己と隣人を愛する」は現代社会においても今なお最も大切にしなければならない教えなのです。私たちが今取り組んでいるグローバル教育とは、ただ単に英語のコミ二ケーション力をつける為の教育ではありません。道具である英語を学び、日本文化を大切にすると同時に、東西の異なる世界の文化を受容し、社会の一員として平和を創る自立した女性に成長するための教育なのです。

ことに今年度からはこれまでの二コース制を選抜コース、特別進学コース、総合進学コースの三コース制に改め、より細やかにそれぞれの個性に即した力を引き出すための教育に力を注ぐことになりました。更にキャンパス内に国際寮を設け、すでにエストニア、タイ、台湾、中国の留学生を迎え入れ、日本人の生徒は英語で、留学生は日本語で自然に会話を交わしつつ、キャンパスそのものが自ずとグローバル化する教育の展開がなされています。

さあ皆さん、この緑濃き美しいキャンパスで、皆さんの賜物を存分に開花させ、青春を謳歌し、各々にふさわしい夢を実現に至らせるべく、共々に励んでまいりましょう。

宮城学院中学校高等学校
校長 杉本 きみ子

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